アンリ・ジローのセラーマスター セバスチャン・ル・ゴルヴェは、アンリ・ジローの精神ともいえるエスプリ・ナチュールをより洗練させる方法を探し、様々なアプローチを実験的に行ってきた。その妥協なき追求は醸造だけでなく当然栽培方法にもおよび、特に多くの生産者を悩ませる近年の気候変動や厳しい干ばつといった危機的要因への対策として、自ら自然に適応する自律的で環境応答型の高品質ブドウに育てるべきという、困難ではあるが王道の理論を信じて栽培方法の改良を続けた。トリプルゼロ(殺虫剤ゼロ、除草剤ゼロ、防カビ剤ゼロ)の先駆者でもあるアンリ・ジローの畑は、いまや他では見られない素晴らしい畑となっている。また彼らの得意とする樽使いでは、アルゴンヌの森でも特に上質なオークが育つエリア「シャトリス」産のオーク樽の巧みな調整が重要なポイントとなった。シャトリスの樽の最も顕著な特殊性は、ワインの中の隠れた緊張感を表出させる点にある。
30年以上にわたる継続的な改良により、エスプリ・ナチュールが彼の考える理想に達したと確信したセバスチャンは、ボトルとラベルのデザインを一新し「エスプリ・ナチュール G」としてリリースする判断をした。深い陰影を奥に秘め、純粋さがより際立つこの新しい「エスプリ・ナチュール G」は、アンリ・ジローがアンリ・ジローであり続けるために進化したことを証明する、新スタイルのエスプリ・ナチュールである。